またゴッホは芸術家組合を作り、貧困の画家が暮らせるアトリエを作る夢が芽生え、南フランスのアルルに「黄色い家」と呼ばれた格安の家を借ります。

『馬鈴薯（ジャガイモ）を食べる人々』フィンセント・ファン・ゴッホ

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ガシェは医師でありながら、自らも絵画をたしなむ“日曜画家”です。そして絵画のコレクターでもありました。ゴッホにとってガシェは、医師であると共に友人でもあり、良き理解者になったのです。

　ゴッホはオランダ南部のフロート・ツンデルトで牧師の家庭に生まれた。幼少期には美術に関心を抱いたものの、すぐに画家を志したわけではなかった。ティルブルフの中等学校に通った。

暗いトーンで満ちていて、後年のゴッホからは想像もつきません。重苦しい雰囲気の絵を描いていた時代です。

 唯一救いだったのは実家に帰った際、弟のテオからゴッホに生活費を支援があったことを知り、お礼の手紙を送ったことで、弟との信頼関係を取り戻します。

ゴッホは気性が激しく、不器用な性格でした。折に触れてトラブルを起こしてしまいます。仕事を始めても、長続きしません。

ゴッホが療養の地としてオーヴェールを選んだ理由に、精神科医ポール・ガシェの存在がありました。

この頃からゴッホの絵が世間から評価されるようになってきます。パリの展覧会にアルルで描いた作品群を出品した際には、巨匠モネから『輝ける星』と高く評価されるまでになっていました。

家族と打ち解けることができ、アトリエで絵画制作にじっくり取り組む時間が取れたゴッホは、この時期に、絵画の腕前も上がり、画家としての実力は確実についていました。

ミレーの影響を受けたゴッホの絵は、当然ながら色調が暗くなります。たとえば《スフィニンゲンの海の眺め》。

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